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22冊目の技術書の翻訳に着手します [技術書の翻訳]

Go言語 100Tips ありがちなミスを把握し、実装を最適化する』を昨年の8月に出版してから、何も翻訳していませんでした。22冊目となる技術書の翻訳作業に着手します。どの本であるかは、翻訳が進んで出版日が決まったころにお知らせします。
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技術書の翻訳(3) [技術書の翻訳]

2000年に『Javaリアルタイム仕様』を出してから、今年出した『Android SDK開発クックブック』でちょうど10冊目となります。翻訳作業は、会社の業務ではなく、私的な活動として主に自宅で出社前に行っていて、時には外で喫茶店などで行うこともあります。

翻訳作業といっても、翻訳するだけでなく、組版までを私自身が行っています。最初に出した『Javaリアルタイム仕様』『プログラミング言語Java第3版』の2冊とオライリーからの『アプレンティスシップ・パターン』は、出版社が組版を行っています。私自身で組版を行うようになったのは『Effective Java プログラミング言語ガイド』からです。そのため、索引作りまで自分自身で行っています。

組版まで行うことで、私自身が費やす時間が長くなってしまいますが、校正作業はすべて手元で行うことができます。組版を行うようになった最大の理由は校正作業です。出版社に組版をお願いする場合、校正作業に時間を要するため、全部自分で行うようになりました。

また、翻訳作業全体は、私一人ではなく、翻訳原稿をレビューしてくださっている知人達と妻に支えられて行っています。

『アプレンティスシップ・パターン』『プログラミング原論』『Android SDK開発クックブック』と3冊連続して途中休むこともなく翻訳を続けた後、ここ数ヶ月は休憩状態が続いていました。そして、これからの2年間は、今日時点ではまだ出版されていない3冊の技術書の翻訳を行う予定です。

新たな技術書の翻訳 [技術書の翻訳]

今年は、『アプレンティスシップ・パターン』の翻訳を終えてすぐに『プログラミング原論』の翻訳を行いました。ほぼ一年間、翻訳作業をプライベートに行っていたことになります。それに加えて、改訂版ですが、『プログラマー”まだまだ”現役続行』も出しましたので、一年間で3冊です。

プライベートでは、(数は少ないですが)講演、社外の技術教育、Java言語とGO言語の勉強会などで、土曜日が潰れることが多かったです。会社内の非業務の勉強会も5月から週2回続けています。

ということで、プライベートは非常に忙しくて、やっと一段落して年末を迎えられると思っていましたが、先週、出版社から技術書の翻訳依頼がきました。候補としては、2冊挙がっていますので、出版社と打ち合わせて、1冊に絞る予定です。

(「技術書の翻訳」、「技術書の翻訳2」)

技術書の翻訳(2) [技術書の翻訳]

2年前に「技術書の翻訳」と題したブログを書いています。振り返ってみると、プライベートな時間を費やして、すでに7冊の技術書を翻訳してきましたが、やはり、翻訳は私にとっては趣味ではないです。

なぜ、趣味でないかというと、翻訳作業に何時間も没頭できないことです。プログラミングしている時は、時間を忘れることがありますが、残念ながら翻訳作業では、そのようなことはありません。ただ、毎日少しずつ続けることができているから、何とかできているのだと思います。

技術者として翻訳作業を行う利点を、私の経験からまとめてみると次のようになります。
  • 翻訳している本を何度も読み返すことになる。一冊の技術書を何度も、一字一句読み返すことは、普通の学習では行いません。その分、記憶に多く残ることになります。
  • 著者と(メールのやり取りを通して)知り合いになれる。内容が理解できない、内容が間違っている、英語が分からない等々で、都度、著者に問い合わせをします。そのメールのやり取りを通して、著者と知り合うことができます。実際に、会うことがあれば良いのですが、その機会は少ないです。たとえば、David Holmes氏と初めて会ったのは、メールのやりとりを始めてから7年後でした。著者が日本に来た時とか、私が渡米した時とかに会うこともあったりします。ちなみに、今までで、最も多く会って、食事をしたりした著者は、Joshua Bloch氏です。まだ、実際に会ったことがない著者は、Ken Arnold氏と今翻訳している本の著者です。
翻訳作業を通して、技術者として得られたもう一つの利点は、改訂版や新たな本の執筆の際に、レビューアーとして、草稿をレビューさせてもらうことです。

技術書の翻訳 [技術書の翻訳]

「Engineer Mind, Vol.9」(技術評論社)に、高嶋優子さんの「翻訳に学ぶ --- 伝える英語力・日本語力」と題した記事が書かれていました。一部引用すると、
質が悪く、誤植の多い訳書があるのも確かですが、それを非難ばかりしていても仕方ありません。実際、技術書の翻訳はそう簡単にできるものではないのです。英語力はもちろん、ドメインの知識、日本語力、さらに、体力も気力も必要とされる作業です。
さらに、
技術翻訳は、報酬だけをモチベーションに「バイト」として続けられる作業ではないのです。技術翻訳に携わる者のはしくれとして、この業界で翻訳に携わっている人たちは、あくまでも「趣味」だと考えて楽しみながら、さらに、ほかの人にもこの本を読んでもらいたいという想いを持ちながら訳しているのだという点を、読者の方々には理解してもらいたいと感じています。
一冊の技術書を翻訳するというのは、昼間は仕事をしていると、気力が必要なのは確かです。それも、非常に地道な作業が何ヶ月も続きます。数ヶ月で終わることはなく、一年以上の長丁場になることもあります。実際、『プログラミング言語Java第4版』の翻訳には、一年半を要しました。翻訳に先立って英語の原稿のレビューも行ったので2年間ぐらいは、この一冊にプライベートな時間の多くを費やしたことになります。

自分が読んでも非常に良い内容であれば、高嶋さんも述べているように、多くのソフトウェア技術者に読んでもらいたいと想いながら翻訳します。最初に翻訳した『プログラミング言語Java第3版』は、実は第2版が翻訳されておらず、Java技術者にとっては必須の技術書が翻訳されていないのは残念である旨の記事を執筆したことから翻訳することになりました。初めての翻訳でもあり、翻訳している一年間は、他の技術書を読む余裕は全くありませんでした。

翻訳を終えて一息入れて読み始めたのがJoshua Bloch氏の『Effective Java Programming Language Guide』です。この本は、非常に衝撃的な内容でした。それまで自分自身のプログラミングに対する知識がいかに貧弱であるかを痛感した次第です。幸い、『Effective Javaプログラミング言語ガイド』として翻訳して出版することができましたし、現在は第2版の英語の原稿のレビューにも参加しています。第2版の翻訳が出た時には、多くのソフトウェアエンジニアに読んでもらいたいと思っています。

高嶋さんも記事の中で述べられていますが、ボランティアとして翻訳原稿をレビューしてくれる人達がいなければ、翻訳書を出すことはできません。私自身も何人かの知り合いにレビューアーを募集して、レビューを行ってもらっています。翻訳書が無事に出版された時は、ささやかながらレビューアーの人達を招待して感謝パーティを開催していますし、著者が来日する予定がある時は著者の来日に合わせて感謝パーティを開いたりしています。
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