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オフィスと技術書 [オフィス]

今日、技術書は電子版と紙版のどちらかを購入できるものが多くなっています。電子版の場合、オフィスに書籍のための空間は必要ありません。一方、紙の本では物理的に置く場所が必要となります。私自身は色々な職場でソフトウェア開発をしてきたのですが、オフィスと技術書というテーマで過去を(忘れにうちに)振り返ってみたいと思います。

1984年に富士ゼロックスに入社して、Fuji Xerox 6060 Workstationの開発グループに配属されてワークステーションの開発に従事しました。机は普通の事務机でした。ワークステーションを開発しているといっても、机の上には何も無かったと思います。ソフトウェア開発用にVAX (780?)を使っていたのですが、端末は自分の机の上には無かったと思います。そのため技術書を持ってきても、すべて「机の上か袖机の中」のどちらかに入れていたと思います。この状態は、1988年11月に米国El Segundo, CAへ駐在で赴任するまで続いていました。

米国では個室で、SunワークステーションとStarワークステーションを使ってソフトウェア開発をしていていました。オフィスには3段ぐらいの「書棚」があったので、そこに自分の技術書を置いていました。1991年4月にゼロックス社のPalto Alto研究所へ転勤して、そこも個室でした。ここでも本棚があったと思います。結局、4年半の米国では、個室で、書棚があったので自分の技術書を置いていました。

1993年5月に日本に戻ってきたときは、勤務地が溝口にある神奈川サイエンスパーク(KSP)だったのですが、オフィスはパーティションになっていました。パーティションは上の部分が棚になっていたので本棚として使っていました。棚に入りきれない分は、袖机の中に入れていたと思います。

自分の本を会社へ持って行くときは、たいてい1冊ずつなので問題はないのですが、問題は会社を退職したときです。就職してから米国駐在、そして帰国してKSPへというのは富士ゼロックス内の話です。書籍もすべて会社の引っ越し費用で移動させていました。しかし、「退職」となると話が変わります。

KSPに勤務していた頃は、車も持っていなかったので、毎日少しずつ自宅へ持って帰りました。今から考えると段ポールに詰めて郵便局から送ってしまえばよかったと思います。

1996年9月から日本オラクルで働き始めましたが、書籍は、袖机の中に入れていました。在籍期間も短くて、多くの本を会社へ持って行くことはありませんでした。

1997年5月から徳島のジャストシステムで働いたのですが、パーティションになっていて上の方は棚になっていたので本棚として使っていました。半年後に新社屋に移りました。そこもパーティションでしたが、キャスター付きの3段の書棚が与えられていたので、かなりの数の本を会社へ持って行っていました。ジャストシステムを退職するときは、書棚を駐車場まで押して行き、本を車のトランクに移し替えて自宅まで持って帰りました。

1998年5月からは、富士ゼロックス情報システム(FXIS)で働き始め、海老名にあるプライムタワーというビルが勤務地でした。オフィスはパーティンションで、いつものように棚になっているので、かなりの本を会社に持っていきました。棚だけではたりず、袖机、さらに、別途共用のドロワーの一部を割り当ててもらいました。2009年8月末に退職するときには、かなりの数の技術書を会社に持って行っていたのですが、さすがに半分は会社に寄贈して、残り半分を近くの郵便局から段ボールで自宅に送付しました。

2009年9月からリコーの大森事業所で働き始めました。最初に違和感を持ったのは職場にほとんど技術書がないことです。フロアに書棚が1つある程度で、個人の机の上にはほとんどないことです。袖机の中にでも入れているのかと思いましたが、実際はそうでなく、全体として自分の技術書を会社に持ってくるという人が少なかったようです。

リコーに勤務した8年間は、富士ゼロックスグループ勤務の頃と比較すると職場の技術書の数は圧倒的にに少なかったです。海老名のプライムタワーの頃は、自分の会社(FXIS)や親会社(富士ゼロックス)のフロアで働いていたのですが、多くのエンジニアが自費で購入した書籍を会社に持ってきていたので、自分が持っていない本で調べたいときは、フロアを歩き回って、各人のパーティションの棚を探せば見つかったものです
※ 現在の富士ゼロックスや関連会社の職場では、ここで述べているような環境はなくなっているようです。

退職時の大変さを何回か経験して、リコーでは自分の技術書を会社には極力持って行かないようにしました。しかし、8年間勤務したあとの退職時には、段ボール箱で1箱分の技術書を着払いで会社から自宅へ送りました。

2017年9月からソラミツ社に勤務し、今年の6月からメルペイ社で働いていますが、今の個人的方針は、会社で参照するために置いておきたい「紙の技術書」は自分で購入しないということです。つまり、会社購入で、退職時にはそのまま置いていける状態にすることです。

富士ゼロックスグループでの勤務が長かった(合計で約23年間)ので、私は必要な技術書は自分の机から手が届くところに置いておきた方です。それは、自分の本や会社で購入した本に関係なくです。したがって、「技術書の購入も全額支援します」とサポートしてくれるにしても、各人が自分の机の上に置くための空間がないオフィスはどんなものかなと思います。普段、業務中に参照する技術書は、各人が手元に置いておけるオフィス空間が必要だと思います。

一方で、昔と違ってインターネットで検索したり、電子版の書籍を使ったりするのであれば、紙の本を置く空間がオフィスには必要ないのかもしれません。
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