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伸ばすのが難しい能力 [プログラマー現役続行]

2018年6月1日に株式会社メルペイに入社して、4年が過ぎました。入社当時は、定年が60歳と聞いていたので、1年半の勤務だと思っていましたが、実際の定年は65歳であり定年まであと2年半です。

ソフトウェアエンジニアにとって重要な能力と(私は考えるが)、身に付けるのが難しいのが現実だと、この4年間で再認識したのは次の三つです。
  • 開発の最初にAPI仕様をきちんと書けるソフトウェアエンジニアは少ない
  • テストファースト開発を行っているソフトウェアエンジニアは少ないか、いない
  • Tech Blogなどの執筆で、読み手を意識して、分かりやすい文章を書く、ソフトウェアエンジニアは少ない
API仕様については、このブログでも何度か書いています(「API仕様を書く」)。テストファースト開発についても、「テストファースト開発」を書いています。分かりやすい文章については何も書いていないですが、「伝わる技術文書の書き方」としてmerpay Tech Talkで話しています。

実装を一切書かずに、きちんとAPI仕様を書けないと、おそらくテストファースト開発もできないと思います。色々な人達とソフトウェア開発を行った経験から、この二つは、かなり密接に関連しているのではないかと思っています。

残念ながら、上記の三つは、プログラミングを覚える際に習うことはないため、身に付かないまま年数を経ている開発者が多いと思います。では、どうやったら身に付くかというと、上記の三つを伸ばすための活動をきちんと行っている開発組織で働くことです。そうでなければ、たいていは無理ではないかと思います。もちろん、個人で身に付ける人はいるとは思いますが、継続したレビューで指導してくれる人達がいないと、多くの人にとってはなかなか難しいでしょう。

しかし、そのような開発組織を見つけるのは、容易ではありません。多くの企業は、使っている技術や組織の文化とかは盛んにアピールします。しかし、上記の三つの能力育成活動をきちんと行っている組織はもともと少なく、その上で外に向けてアピールする企業はほとんどないからです。さらに、きちんと行っている組織は、そうするのが当たり前だと考えられていて、わざわざ当たり前と思うことを外に向けて発信することはないと思います。

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