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知識の伝達は難しい [プログラマー現役続行]

日本と異なり、米国では第一線の技術者の多くが技術書を執筆しています。それらの技術書を読むことで、読者は多くの知見を得ることになります。しかし、執筆された技術書を読んだからと言って、著者と同じ技術レベルになる訳ではありません。たとえば、『Effective Java』を読んで理解しても、Joshua Bloch氏と同じレベルにはなれないのです。

知っているすべての事柄を著者が本に書いているのではなく、読者を想定しながらこれだけは書いておくべきだと考えながら書いている訳です。そのために、技術書を読んで学習した結果は、著者とのレベル比較ではなく、読んで知識を得た自分自身のレベルが向上したかどうかになります。

つまり、
  • 技術書を読んでも、執筆者のレベルになれない。 
  • 読んで学習して実践した人だけが、自分自身のレベルを上げることができる。
企業内で知識を共有する目的で、文書にして配布するということが行われていると思います。その場合も同じことが当てはまります。文書になった時点で、書き手が得た知識や経験がすべて書かれている訳ではないのです。そして、配布されても、読まれなければ知識は共有されない訳です。

本当に知識を共有するためには、文書にして配布すると同時に、その内容を教育を含めた様々な機会に学習させたり、口頭により伝達したりする必要があると思います。それにより、その文書の存在だけでなく、書かれていないことも含めた事柄を口頭で伝え、相手の理解レベルを把握したり、質問に答えたりすることで、知識を定着させていく必要があります。

文書にして配布するだけで、知識が共有化されて、組織全体の底上げができるというのは、私自身は昔から幻想だと思っています。
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