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生産性の向上 [プログラマー現役続行]

企業におけるプログラマーの能力差は10倍であるといわれている。しかし、企業自体の生産性にも10倍の開きがある。
ハーラン・ミルズ
生産性の向上
  • 短期的に生産性を高める方法などない。生産性は、長期的な投資によって向上する。
  • 短期的な効果を約束するものは、いんちきである可能性が高い。
ウェブスター・トムキンスの日記帳、『デッドライン』
学習時間はプロセス改善のための投資である

講座やセミナーは、開発者が自身のスキルを向上させる手段を模索するために、毎週少しだけ(5%未満)時間を投資することであると言えます。チーム内の開発者のスキルが向上し、チーム全体の生産性を向上させることができるという見返りを考えた場合、こういった投資はほんと小さなものでしょう。管理者を含め、開発に関わるものは全員、こういった講習やセミナーに参加させるべきです。というのも、学習に対する態度は、ソフトウェア職人気質とソフトウェア工学を区別する上で最も大きなものだからです。

ピート・マクブリーン、『ソフトウェア職人気質』
一つの企業(開発組織)の中にずっといると、企業間の生産性の違いを理解するのは難しいです。過去、教育や講演でソフトウェアエンジニアとして継続して学習することの重要性を繰り返し話してきました。しかし、個々のソフトウェアエンジニアが学習を継続する以上に重要なことは、ソフトウェア開発組織のトップがそれを積極的に促したりサポートすることだと思います。そのためには、組織の運営会などでマネジャーに指示するだけでなく、実際の開発現場の個々のエンジニアに声をかけて、思いや期待を話すことも時には必要だと思います。

ブログで何度も書いていますが、前職で行っていた「プログラミング言語Java」教育は、子会社の社内教育コースでした。しかし、非公式に親会社に対しても募集していました。一年間のかなり厳しい教育コースだという評判は定着していましたが、それでも親会社からの応募を制限しなければならないほど、毎期、親会社の様々な開発グループからの応募がありました。さらに、入社したばかりの親会社の新卒新人からの直接の応募もあったりしました。

年間12日間の業務時間の投資に加えて、受講者の1000時間近くにおよぶプライベートな時間を使った投資が行われていました。当然、そのような開発組織は、初心者本で勉強しただけの開発組織を、生産性に関して大きく引き離すことになります。

一つの開発組織の中にいるだけでは、自分たちの生産性の高さや低さを認識するのは困難だったりします。そのため、低い組織は、低いままが続くのかもしれません。一方、高い組織では、普段の継続的な投資活動がどれだ高い生産性をもたらしているかということを正しく評価できないのかもしれません。
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