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FORTRANから始まって41年(9) [プログラマー現役続行]

若手人材を育成していく能力

私自身は、37歳になるまで若手の人材を育成することには、ほとんど関心を持っていませんでした。どちらかと言うと、「レベルが低いエンジニアにプログラミングさせるな」という考えが強かったです。私自身の考えが変わったのは、日本オラクルに転職してからです(「40代最後の年」)。

若手の人材、特に新卒新人で入社してきた若手のエンジニアに対しては、最初の数年できちんと育成する必要があります。それは、単に目の前の開発業務ができるようにさせるという意味ではありません。今回、この一連の記事で書いている基礎知識の習得や、さまざまな習慣や能力の獲得を行うように指導する必要があります。

したがって、「若手を育成する能力」というのは、ある程度ソフトウェア開発の経験を積んでから伸ばすように思われますが、実際には2年目からある程度経験を積むことが可能です。つまり、最初の1年での経験をもとに指導を行うというものです。ただし、「きちんと」指導できる範囲は狭いと思います。そのため、本人も成長過程であることを認識しておく必要があります。

育成をあきらめることもある

一人のソフトウェアエンジニアとしては、上司が自分を育成してくれると期待するのは間違っています。自分自身の成長は、自分自身の努力の結果であり、上司はその成長のための努力を後押ししてくれたり、サポートしてくれたり、指導してくれたりするだけです。矛盾しているようですが、一方でソフトウェアエンジニアとしては、若手を育成していくことも求められます(「ソフトウェア・スキル・インデックス」)。

しかし、現実には育成をあきらめる場合もあります。以下のような場合です。
  1. 若手に対して、さまざまな指導や教育を行った結果として、伸びる見込みがないと判断した場合
  2. 学習することをやめってしまった中堅のエンジニアの場合
1.に該当するケースはめったにありませんが、残念ながら私自身が途中で育成を断念したことが2回あります。半年以上の指導や教育を行った結果として断念するのですが、その後の対処は難しいです。その若手の面倒を誰かがみることで開発チーム全体の生産性が低下してしまう状況なので、開発チームから外す必要があります。

講演や教育で「新たな技術を学習しない中堅エンジニアはどうやったら変わってもらえるでしょうか?」と質問されることが多いのですが、私の回答は上記の2.に該当します。つまり、「あきらめる」ということです(詳しくは、「ソフトウェアエンジニアの成長カーブ」を参照してください)。

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