書籍『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』 (5) [プログラマー現役続行]
ハイ・パフォーマーに見られる行動の特性(コンピテンシー)を抽出し、それを他の社員へも浸透させるという教育戦略は、定義や名称の違いはあれ、現代の人材育成の現場における中心軸と言ってもよいでしょう。ハイ・パフォーマーの行動の特性を分析して、それを浸透させるというのは、重要なメッセージだと思います。
この文脈における教育効果の測定は、人材育成プログラムが、そのプログラムの対象となった人材の「知識を増加させたか?」ではなくて、あくまでも「行動を変化させたか?」という問いに答えるような形式でなければなりません。
『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』(p.104)
4年ぐらい前に同様な調査をしたことがります。私の行動特性や技術知識を特性項目として抽出し、それらの特性項目をアンケート形式で問い合わせるものです。そして、エンジニアのレベルと各特性項目間に相関関係が存在するか調査しました。そして、相関関係が高い項目を抽出し、それに基づく教育見直しを行い、社員に浸透させれば、全体のレベルアップになるのではないかという調査です。
興味深い結果が出たのですが、相関が高い項目の1つは、継続的に本を読んで学習しているかどうかということです。
「4-10 リーダー人材の育成には徒弟制度を導入する」(p.133)では、次のようにまとめられています。
教えると学ばないのが人間の本質なのです。しかし、ソフトウェア開発組織によっては、業務に必要な知識を教育で教えるだけでなんとかなるだろうと思っている企業も多いのではないかと思います。ソフトウェア開発は、本質的に複雑です。したがって、その複雑なものに取り組む以上、ソフトウェア開発組織のメンバー全体が継続して技量を向上させるための学習を行う必要があります。
この点を考慮して、自ら学ぶようにしむける仕組みを提供するのが人材育成プログラムの本質です。
『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』(p.134)
振り返ってみると40代の10年間は、私自身の学習も兼ねて学習することを促進するための勉強会を促進してきました(「勉強会一覧」)。全員とは言わずとも、多くの若手が継続して学習する習慣を身に付けてくれたものと思っています(「読書会中断」のharuomiさんのコメント)。
2010-01-21 08:06
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