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転職(2) [転職]

プログラマー現役続行 (技評SE新書)

プログラマー現役続行 (技評SE新書)

  • 作者: 柴田 芳樹
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 新書

雑誌に掲載した記事を編集・修正して新書として出版したのが2年前です。もともとは、2000年の頃から始めた「プログラミング作法」教育で話してきた内容を雑誌の記事として執筆してきたものです。講演や教育で行っている「ソフトウェアエンジニアの心得」は、この本に書かれている内容に加えて、最近の私の経験に基づく話をしています。

第2章「プログラマー現役続行」の「社外からの評価の重要性」(32頁)では、次のように述べています。
 グーグルとは異なり、多くの日本企業では、若いうちはプログラミングを行い、ある程度の年齢になったらマネジメントを行うことが期待されている場合がほんとんです。つまり、「プログラミングは給料の安い若い人の仕事、マネジメントは給料の高い偉い人の仕事」という認識です。

社外からの評価の重要性
 このような環境の中で、生涯現役でプログラマーとして活躍していくためには、会社の中の評価ではなく、社外の評価を求めていかざるを得ません。そうでなければ、さらに上を目指すという動機を維持することは困難だと思います。
 若手を育成するという強い意識を持って、そのための教育の推進や実施、あるいは勉強会の開催などを継続して行えば、ある程度会社の中でも認められるようになります。しかし、それは、会社の中で積極的に育成活動をしていない人が多いために、相対的に認められているにすぎない場合が多いのです。
 このように、会社内の評価はあくまでも相対的であるとしても、社外からの評価が相対的になることはありません。社外からの評価を得るには、ソフトウェア業界であれば、技術雑誌に記事やコラムを執筆したり、専門書を執筆したり、講演をしたりすることだと思います。
 さらに、そのような活動に加えて、トレーニングコースなどの講師を務めることや、社外の技術者のコミュニティへ参加するのもよいかと思います。さらには、オープンソースのソフトウェアへ貢献することも含まれるのではないでしょうか。

昨年、英語を使う機会がないので、話をする機会でもということで青葉台のGabaに通ったことがあるのですが、その時に、講師の一人の先生から「技術書の翻訳は、趣味か?」と聞かれたことがあります。趣味ではないと答えたのですが、じゃ、なぜやっているのといことになって考えてみると、「一種の義務」だという答えになりました。多くの日本のエンジニアに読んでもらいたいと思うから行っていると。(「技術書の翻訳」

このように、プライベートな時間で翻訳、執筆、講演を行ったり、業務で社内外への様々な教育を行いながら、部門長業務を行うことで、バランスを取りながら、私自身はモチベーションを維持してきたのだと思います。モチベーションは誰かに上げてもらうものではなく、自分で維持するものだと思っています。※1

しかし、過去一年半は、会社外の活動だけでモチベーションを維持するのが、困難になってしまったのが正直なところです。私自身が直接開発をしない※2にしても、ソフトウェア開発を行う上で私自身が重要だと考えて活動してきたこと(若手を育成して、きちんとしたソフトウェアを開発する組織作り)が評価されなかったり、拙著の中で述べていることが理解されようともしなかったりすると※3、多くの時間をそのような組織の中で過ごすことは自分の人生の無駄遣いとなってしまいます。※4

「Don't Listen to Your Parents」で引用した言葉を借りれば、「人生の残りをその組織で働くことは、私の運命ではない」ということです。

過去の転職もすべて事後報告でしたが、今回も両親への報告は事後報告でした。親は、子供が何歳になっても、大丈夫なのかと心配してくれます。最後は、「自分で決めたことだから頑張りなさい」と言ってくれました。

※1 50歳にもなるような社員が、人事制度や評価制度が不満だと言って、年下の20代や30代の人事部に自分のモチベーションを上げるようにしてくれというのは、変ですからね。
※2 部門長でしたが、2008年末ぐらいまでは、私自身でも設計・実装・デバッグまで行っていました。
※3 贈呈しても、読んだとか感想とか聞いたことがないので、もともと読まれていなければ理解しようとする以前の問題になりますが・・・
※4 4月20日時点で「〇〇〇〇で働く意義を感じなくなっている」と上司へ提出したあるドキュメント中にコメントしています。
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