+= 複合代入演算子と文字列 [Java]
土曜日にJoshua Blochと話をした際に、『Java言語仕様第3版』での言語仕様の変更により、『Java Puzzlers』のパズルを一部書き直す必要があるということでした。それで、調べてみました。
『Java言語仕様第2版』までは、以下のコードは文法エラーでした。
Object o = new Object();
o += "test";
なぜならば、15.26.2節「複合代入演算子」には、次の定義が記述されていたからです。
左手側オペランドがString
型であれば右手側オペランドはどのような型でも構わない+=
を除いて、すべての複合代入演算子では双方のオペランドがプリミティブ型でなけれればならない。
E1 op= E2形式の複合代入式では、E1が一度だけ評価される点を除き、E1型をTとしたE1 = (T)((E1) op (E2))と等価なものになる。暗黙のうちに行われるT型へのキャストは、好投変換(§5.1.1)、あるいはプリミティブ型のナローイング変換(§5.1.3)となることに注意されたい。
しかし、リリース1.5でオートボクシングが導入された際に、この記述は『Java言語仕様第4版』では次の記述だけとなりました。
E1 op= E2形式の複合代入式では、E1が一度だけ評価される点を除き、E1型をTとしたE1 = (T)((E1) op (E2))と等価なものになる。
つまり、
o += "test";
は、次のように解釈される訳です。o = (Object)((o) + ("test"));
このコードは文法的には正しいですから、
o += "test";
も正しいことになります。しかし、最新のJava 6 Update 10のコンパイラでも、o += "test";
は、コンパイルエラーとなります。Bug Databaseを見ると、これは言語仕様のバグではなく、コンパイラのバグとして認識されているようで、Java 7で修正されるようです。
http://bugs.sun.com/bugdatabase/view_bug.do?bug_id=4741726
ということで、「パズル10 トウィードルディ(Tweedledee)」 は、Java 7がリリースされた時には、書き直す必要があることになります。
2008-11-10 05:58
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