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急性心筋梗塞 [心筋梗塞]

前回の記事から二ヶ月ほど過ぎてしまいました。

前兆

正確な日付は覚えていないのですが、一年前ぐらいに背中の真ん中から右に筋肉痛のような痛みを感じるようになりました。最初は筋を違えたのかと思ったのですが、その後、痛みが完全になくなることありませんでした。それが、今から考えると(病気の原因部位とまったくかけ離れた部位に現れる痛みである)放散痛だったのではないかと思います。

緊急搬送

2020年6月20日(土)は、いつもの変わりのない土曜日を妻と二人でリビングで過ごしていました。16時過ぎに妻が彼女の書斎(寝室と繋がっている3畳の部屋)に行ってから、私も自分の書斎に行って雑用をすることにしたのですが、行く前から少し右肩が痛いなという感じで書斎に行ったら、右胸が痛み始めて、何かできる状態ではないと感じてリビングに戻りました。しかし、それから、その痛みは強くなり、息も苦しく、汗も出始めました。

すぐに収まるのかと思ったのですが、収まるどころか、さらにきつくなり、妻を呼びにいくこともできない状態でした。幸い意識がなくなった訳ではなかったので、何とか手元にあったiPod Touchを手に取り「メッセージ」アプリで「タオルを持ってきて」と妻へメッセージしました。それが、16時30分でした。

携帯にメッセージが届いて、驚いて妻が来てくれました。それから救急車を呼んでもらい、私の物としては、私の携帯電話と救急隊員から持ってくるように指示されたサンダルを妻が持って、救急車に運ばれました。昭和大学藤が丘病院の救急センターへ搬送されて到着したのが、17時30分でした。

さまざまな検査が急いで行われ、「急性心筋梗塞」と診断されて、緊急手術(カテーテル治療)となりました。手術に先立って、妻はさまざな同意書に代理署名しながら、「心臓が停止する可能性もある」と伝えられたそうです。私自身は、自宅で倒れてからカテーテル治療が終わるまでの間、胸の痛みと息苦しさはありましたが、意識はあったので、まさか心臓が停止するかもしれないという恐怖感はありませんでした。

緊急手術

胸の痛みと息苦しさはありましたが、カテーテル治療が始まりました。会話するのもきつかったのですが、治療が始まったときに「どのくらいかかりますか?」と聞いて「1時間ぐらい」と答えてもらい、1時間の我慢と思いながら手術を受けていました。ステントが一つ留置されて冠動脈の一つの血流が回復したので、治療が終わったときには、胸の痛みや息苦しさも嘘のようになくなっていました。

手術が終わったときに、手術室で映像を見せてもらい説明を受けたのですが、半分上の空で聞いていたと思います。ただ、もう一つの冠動脈も治療の必要があるが、別の日に行いますと伝えられました。急性心筋梗塞で運ばれた状態で二つ同時は患者の体への負担もあって無理なようです。

ICU

手術後、ICUへ移されました(細かく言えば、ICU内にあるCCU:Coronary Care Unit)。コロナ感染防止のためにICUへは家族も通常は入れないのですが、その日だけは20時30分ごろに妻が入室を許されて、サンダル、携帯、それと病院で購入した入院セットを置いて、少し会話してから帰っていきました。

胸の痛みも息苦しさもなくなっていたのですが、ICUでは動かないでくださいと言われました。心筋梗塞では、心筋が壊死して心臓そのものがもろくなっているため、負担をかけないために動いてはだめでした。ICUでは、4時間おきの採血が行われました。看護師さんに採血して何を調べるのですかと聞いたら、心臓の悪化状態が進んでいるか止まったかを、心臓から血液中に流れ出すある物質の量で調べるということでした。

翌日の日曜日には、状態もよくなり、昼食から食事してよいことになりました。ただ、食べるときだけベッドを起こし、食後はまた寝ているという状態です。ベッドにずっと寝ていると、腰が痛くなるので横を向きたいときでも、自分で体を動かさないでくださいと言われ、都度看護師さんを呼んで、体を横に動かすのを手伝ってもらいました。

月曜日の早朝の採血の結果で、ICUから一般病室へ移動してもよいことになりました。月曜日の11時30分ごろに、入院以来初めてベッドから降りて、立ち上がっても問題ないかを確認してから、車椅子で一般病室へ移動しました。

一般病室

一般病室(6人部屋)に移動しましたが、お手洗いへ行くときは一人で歩いていかないように言われ、都度、看護師さんを呼んで車椅子で連れていってもらいました。翌日(火曜日)は、病室があるフロアー(7階)であれば、一人で歩いてよいということになりました。ただ、階段の上り下りはだめなので、フロアー内だけでしたが、一人でお手洗いに行けるようになったのがよかったです。

病室ではすることもなかったので、読みかけだった次の本を妻に持ってきてもらい読み終えました(今日の本作りとは違う活版印刷の時代の話しが中心ですが、いつの時代も校正は大変です)。

増補版 誤植読本 (ちくま文庫)

増補版 誤植読本 (ちくま文庫)

  • 作者: 輝次, 高橋
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/06/10
  • メディア: 文庫

2回目のカテーテル治療

緊急搬送時にはできなかった別の冠動脈に対するカテーテル治療を水曜日に行いました。2回目は、ステントを2つ留置しました。2回の治療で、3つ留置したことになります。

2回目は自分自身が苦しい訳ではなかったので、治療の流れが冷静に聞けました。どこにどのようなステントを置くべきかを複数の医師が、造影剤で映し出された画像を見ながら議論して、最終的に場所を決めていました。

声しか聞こえないですが、画像を何度も見直しているのがよく分かりました。場所と使うステントが決まれば、ほぼ終盤です。そのあとすぐに治療は終了しました。

2回目の治療に先立って、前日にはPCR検査を受けました。結果は陰性でした。陽性だと手術室が使えないので治療できなかったことになります。

リハビリテーション

木曜日からリハビリテーションが始まりました。リハビリテーションといっても、担当の人とフロアーを会話しながら歩いて、体調が悪くならないかを確認して、最後に心電図を確認してもらうというものです。心電図は簡易の無線機能があるものを常に付けているので、ナースセンターでは監視できるようになっていたようです。金曜日もリハビリテーションを行いました。

退院

緊急入院したのが土曜日でしたが、一週間後の土曜日の昼前に退院して、帰宅しました。幸い私の場合は、心臓の壊死の状態がひどくなかったため退院したのですが、状態が悪い場合には、退院ではなく、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院へ転院して、しばらくそこで入院しながら心臓リハビリテーションを受けて、ある程度回復後に退院される場合もあるようです。

しかし、どちらにしても、退院後は、「心臓リハビリテーション」に通うことになります。
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