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継続的学習(7) [プログラマー現役続行]

40代を振り返って

私にとっての40代は、1999年11月から2009年11月までとなります。40代は、仕事としては、どちらかと言えば教育・コンサルテーションで始めています。C++言語を用いた新たな複写機用コントローラソフトウェア(制御ソフトウェア)の開発に先立って、200名以上のエンジニアに対して、約5日間のオブジェクト指向基礎教育を荒井玲子さんと一緒に行い、実際の開発では、設計レビューやコードレビューを行っています。私の場合、そのレビューが週に3日とか4日行い、ほぼ専任のレビューアとして一年以上行っています。また、開発で使用するC++用のライブラリー(内部では「clib」と呼んでいました)の仕様策定やコーディング規約の作成を行っています。

そして、2002年8月から2003年1月まで、再び米国(Webster, NY)に駐在しています。当初2年間の予定であったプロジェクトが中止となったために、短期の駐在となっています。帰国してから、2009年9月に転職するまでは、あるプロジェクト(100名程度)で、私自身も設計・実装・デバッグまで行い、かなりのコードをC++で書いていました。

また、2000年には、今でも続いている「Java研修」を始めています。正確に記録していませんが、すでに約170名程度の修了生を送り出しています。さらに、「プログラミング作法」教育も40代に立ち上げた教育コースであり、その中の「ソフトウェアエンジニアの心得」は、今でも教育や講演で話しています。

継続的学習の観点からは、40代は、継続して社内では勉強会を週に1回もしくは2回のペースで開催しててきたと言えます。そして、プライベートで雑誌の記事の執筆、技術書の翻訳、書籍の執筆を行うようになりました。結果として、新たな技術を自己学習するというより、プライベートな時間の多くが、執筆や翻訳に費やされるようになりました。

勉強会を通してではない自己学習は、主に技術書の翻訳を通してという部分が増えています。『Javaリアルタイム仕様』の翻訳では、リアルタイム仕様を学んでいます。Java全般としては、『プログラミング言語Java第3版/第4版』、『Effective Java 第1版/第2版』、『Java Puzzlers』の翻訳で学んでいます。GWT(Google Web Toolkit)についても、『Google Web Toolkitソリューション』の翻訳を通して学んでいます。

当初、雑誌の記事として執筆したものは、その後、まとめられて書籍となっています。さらに、『ソフトウェア開発の名著を読む【第二版】』、『プログラマー”まだまだ”現役続行』、『Java Standard Edition 5.0 Tiger』では、書籍用に加筆しています。

30代までの地道に毎日技術書を読んで自己学習をするという習慣から、40代は、社内の勉強会を中心として様々な技術書を読んでいき、プライベートでは翻訳や執筆を行う生活パターンへ変化していったと言えます。

40代をまとめると次のようになるかと思います。
  • レビューアーに専念して、設計レビューやコードレビューを行うことを経験した
  • 業務でかなりの量のコードを、マルチスレッド環境でC++を用いて行った
  • 技術教育や講演を行うようになった
  • 社内勉強会を開催するようになった
  • プライベートで翻訳や執筆を行うようになった
これらの活動が30代からできたかと問われれば、おそらく、無理だったと答えると思います。特に30代初めでは、ほぼ無理だったでしょう。それは、自分自身が若手だったため、「若手を育成する」という考え方に転換できなかったと思うからです。そう考えてくると、日本オラクルへの転職が転機だったのかもしれません。