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テスト駆動開発プロジェクトの経験(4) [時の流れ]

前回からのつづき)

テスト駆動開発は、書籍を通してある程度は頭の中で理解できますが、それだけではかなり限界があります。やはり、日々の開発業務で実践していくことで、様々な経験を積めることになります。単体テスト程度や小さなプログラムでは、直面する問題の範囲も狭いものとなってしまいます。

しかし、そもそも、テスト駆動開発をほとんど経験したことがない人が多いのではないでしょうか。中途採用の面接をしていても、経験がある人はほとんどいません。経験がない上に、関連する書籍もほとんど読んでいない人は、即戦力としての中途採用としては不合格になってしまいます。

自動でテストするためには、モック、スタブ、あるいは、様々なハードウェアのエミュレータ/シュミレータを開発し、さらに、自動テストコードを開発するという追加の開発が必要になってきます。しかし、手作業によるテストには戻れませんから、すべての開発を継続していくことになります。一見、開発する量が増えるために、無駄に思う人も多いようですが、ソフトウェアエンジニアとしては、リファクタリングを行うことも含めて、高いスキルレベルと規律(躾?)が求められます。

したがって、このような開発には、新卒新人で参加できることが理想となります。なぜなら、このような開発がソフトウェア開発としては当たり前であることを経験することになるからです。そのため、2003年から行った大規模なテスト駆動開発では、毎年、必ず数名の新人を自分の開発部門に増員していました。
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