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会社での教育は、大学での授業ではない(2) [プログラマー現役続行]

情報工学を専攻することなく、大学・大学院で全く別の理系の学科を専攻して、就職時にソフトウェア開発を希望するということは、就職した時点でかなりのハンディを負っていることになります。しかし、そのハンディを負っても、ソフトウェアエンジニアとして成長する人も多いですし、実際にそのような部下を何人も持ったことがあります。

会社では、ある程度は集合教育で基礎知識を教えてくれるかもしれません。しかし、会社は、負っているハンディを解消させるために給与を払って教育する機関ではありません。仮に、給与を払って学習させてくれて、部分的でもハンディを解消し、様々な知識を得たとしても、知識を得たということは高い成果ではありません。それは、当たり前のことなのです。

仮に弁護士事務所に理系の学生が就職して、給与をもらいながら業務時間中に勉強させてもらって、司法試験に合格したとしても、それが高く評価されることはない訳です。それは、当たり前です。実際には、このようなことは司法の世界ではないと思います。医学に関してもないでしょう。

残念ながら、ソフトウェア開発に関しては、全く話が異なってきます。ソフトウェア開発を安易に考えてしまう学生が多いのが日本の現状かもしれません。それは、学生だけの問題ではなく、ソフトウェアエンジニアに対する評価の問題かもしれません。情報工学を専攻して基礎がしっかりしている学生と、ハンディを負っている学生が入ってきても、大企業ほど給与格差を付けることができずに、横並びの給与体系だったりします。

そして、ハンディを負っていても、ハンディを解消するために会社が給与を払うことに何の疑問も持たない人が多いほど、その会社のソフトウェア開発力が上がっていくことないかもしれません。なぜならば、会社が教育投資をしないかぎり、自発的に継続して学習する習慣が身に付かない人達の集団になってしまう可能性があるからです。
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