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初心者レベルの言い訳をしない(2) [プログラマー現役続行]

初心者レベルの言い訳をしない」では、冒頭に次のように述べています。
出来上がったコードの可読性も含めた品質の悪さを、時間がなかったとかプロトタイプだから言い訳する人がいます。スキルが高い人の場合は、同じ時間制約でも高い品質のコードを書きます。それは、ある程度無意識になるまで、訓練を重ねているからです。無意識になるまで意識して普段から活動するのです。

似たような話で、最近聞いたのは、「要求品質が明示されていないのでどれだけ時間をかければ分からない」というものです。作り込む機能の数で言えば、確かに、どれだけ時間をかけるかによって、その数は変わってきます。しかし、「品質」、特にソフトウェアの構造を含む設計の品質やソースコードの可読性を含めた品質というのは、担当者が時間を費やせば費やすほど高くなるのでしょうか?

時間をかけたからと言って高い品質にならないことは明らかです。仮に、高い品質になったら、すべてのデスマーチプロジェクトでは、超高品質のソフトウェアが開発されることになります。

一人一人のソフトウェアエンジニアが作り出すソフトウェアの品質は、その人が費やした時間で決まるのではなく、その人のスキルレベルで決まるのです。たとえば、私が、社会人になった頃に開発したソフトウェアを今見ることができたとしたら、きっとかなり品質の悪い可読性の低いソースコードを大量に書いていたことに気付くでしょう。

「要求品質が明示されていないのでどれだけ時間をかければ分からない」というのは、「品質が悪いのは、費やす時間を具体的に指示されなかったからです」とか「自分のスキルは今後も向上しないと思います。スキル向上の努力をしながら、同じ時間でより高い品質のものを生み出せるように努力をする気はありません」と言い訳しているように私には聞こえてしまいます。
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