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訳者まえがき『Objective-C明解プログラミング』 [訳者まえがき・あとがき]

Objective‐C明解プログラミング―基礎から応用までステップ・バイ・ステップ方式でわかりやすく解説 (Developer’s Library)

Objective‐C明解プログラミング―基礎から応用までステップ・バイ・ステップ方式でわかりやすく解説 (Developer’s Library)

  • 作者: スティーブン・G. コーチャン
  • 出版社/メーカー: ピアソン桐原
  • 発売日: 2013/05
  • メディア: 単行本

訳者まえがき

 Objective-Cは、C言語とSmalltalkを組み合わせたプログラミング言語であり、オブジェクトの概念をSmalltalkから取り入れています。1983年に開発されており、その誕生からすでに30年が経過しています。Objective-Cは、C言語で記述されたプログラムをそのままObjective-Cコンパイラでコンパイルできて何の問題もなく実行されるという初期の決定に基づいて開発されました。その点では、C++言語と似ていますが、全く異なる発展を遂げています。C++言語とは対照的に、Obejctive-Cの生みの親であるBrad J. Cox氏は、現在のObjective-Cには関与しておらず、Apple社が独自に言語仕様を拡張してきました。
 私自身がObjective-Cという名前を聞いたのは、1990年頃であり20年以上前のことです。当時のMacintosh用の開発言語はC言語でした。そのため、Objective-Cのコミュニティは小さいものでした。本書の第1章で述べられているように、Apple Computer社がNeXT Software社を買収してから、Mac用の開発言語としてObjective-Cが採用されています。今日ではiPhoneやiPadの爆発的な普及により、多くのプログラマがObjective-Cを学び使用しています。
 本書は、初めてのプログラミング言語としてObejctive-Cを学ぶ人達を対象としていますので、C言語でのプログラミング経験がないことを前提として説明されています。結果として、C言語の解説は後半の章である第13章「基本的なC言語機能」で行われています。そして、本書全体が、初心者だけでなく、Objective-Cでプログラミングを行ってきた人にも役立つ内容となっています。
 当初は、原著Programming in Objective-Cの第4版で翻訳を始めましたが、XcodeとObjective-Cのバージョンアップにより、翻訳中に第5版が出版さました。そのため、第5版の修正内容を反映してあります。
 この日本語版が、読者のみなさんのObjective-CによるプログラミングとOS X/iOSアプリケーション開発の助けになれば幸いです。

『Objective-C明解プログラミング』