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作業はコンピュータに、人間は創造的活動を (1) [プログラマー現役続行]

書籍『Jenkins実践入門』」の記事の最後に、「作業はコンピュータに、人間は創造的活動を」という表現を使っています。

ソフトウェア開発者の中には、「手でコピペした方がプログラムを書くよりも早い」と言って、元データが数多くのExcelファイルに書かれている場合に、使用しているプログラミング言語用ファイルへの変換を手作業で行ったりする人がいます。そのあげくに、「転記ミス」が原因の障害を発生させてしまったりします。このような状況では、実際には手作業が早いのではなく、そのような処理を行うプログラムを書いた経験がないので、本人にとっては手作業の方が早いと思えるのが本当の理由だったりするのです。

もし、本当に手作業が効率的な手段だったとしたら、単価が高いソフトウェア開発者が行う仕事ではありません。さらに、数ヶ月後あるいは数年後に似た作業が必要になった場合に、さらに単価が高くなっているかもしれないその開発者は手作業で行うという発想しか持たず、再び時間をかけて手作業で行うことになるかもしれません。つまり、ソフトウェアエンジニアとしても、その開発者は何も成長していないことになります。

会社での開発業務を通してのプログラミング練習しかしていないようなソフトウェア開発者であれば、練習を兼ねて自動で変換するプログラムを作ってみようと思ってもらうぐらいでも良いのではないかと思います。でも、そう考える人は、最初から手作業で行うことは考えないのかもしれません。

このようないつも手作業しかしないようなソフトウェア開発者が増えてしまうと、自動化するという発想がなくなり、テストも含めてやたら手作業ばかり行うソフトウェア開発組織が出来上がってもおかしくないかもしれません。