朝型力 [プログラマー現役続行]
拙著の第7章「朝型力」からの抜粋です。
人は見ていないようで見ている今、読み返しみると「誰よりも」は余分かと思います。
20代、特に新卒新人として配属されたときは、誰よりも早く出社する習慣が必要です。ぎりぎりにしか出社しないようであれば、自分で時間管理ができないと見なされてもおかしくありません。そのような人に限って、朝の会議の時間ぎりぎりに会議室に入ってきたりします。
当人は、「ぎりぎり間に合った!」とほっとしているかもしれませんが、そのようなことを繰り返していると、時間にルーズな新人だと見なされるだけです。
人は見ていないようで見ているもので、誰々はいつも時間を守って余裕を持っているが、誰々は時間管理がだらしないと、評価はすぐに職場中に広がります。
ちょっとぐらいの早起きでは元にもどる章のまとめとして、次のように述べています。
朝、余裕を持って出社するには、やはり早起きすることです。その結果、ぎりぎりに会社に駆け込むこともないでしょうし、遅刻することもなくなります。
しかし、早起きを動機づけるには、早く起きた分の時間を何かの活動に充てることです。
ほんの10分ぐらい早起きして、ちょっとだけ余裕を持ってコアタイム開始時間より少し前に出社しようとしても、必ず元の状態に戻って、いつもぎりぎりとなります。したがって、思い切って1時間とか2時間早く起きることです。そして、その時間で読書なり、英語の学習といったものを行うことです。
貴重な朝の時間を有効に使う面白いことに、毎朝遅刻すれすれに出社する人は、フレックス勤務制度であるか否かには関係ありませんし、住んでいる場所と職場の距離とも関係ないように思えます。
朝型の生活パターンを勧めている書籍は多く出ていますが、夜型を勧めている本はほとんどありません。 一度しかお会いしたことがありませんが、『朝2時起きで、なんでもできる!』の著者である枝廣淳子さんは、朝の時間に集中して行うことで、さまざまな活動をされています。
朝の1時間は、夜の2時間に匹敵するといわれます。早起きして、コンピュータやソフトウェアに関する学習をするのもいいでしょうし、情報処理試験などの資格を取得するための学習をするのもいいでしょう。
技術者として早朝に学習しようと夜に学習しようとどちらでも良いではないか、という意見の人もいるでしょう。自分の効率が良い時間帯で学習をすれば良いのは確かです。ただし、それには、社会人として時間にルーズにならないという条件付きです。
会社に遅刻する、半日休暇を取る、朝の自主参加の勉強会に遅刻したり欠席したりする、などの理由として「夜遅くまで勉強していて朝起きられませんでした」は理由にはなりません。つまり、勉強しているから、時間にルーズでも良いでしょうというのは成り立たないのです。そして、技術的には優れていても、この時間にルーズという一点だけで全体評価は下がってしまいます。
朝型として継続した学習を勧める理由の一つは、朝寝坊をして朝の時間に関してルーズになることを防いでくれることです。当然、早朝に学習をするためには、実際に家を出る2、3時間前に起きて学習することになります。その結果として、上記のような時間を守れないような行動を減らすことができる訳です。
重要なことは、継続した学習よりも「時間を守る」方の優先度が高いことです。これは、技術者としてではなく社会人としてです。
とにかく、若いうちは、この朝の貴重な時間を有効に活用する習慣を身につけることをお勧めします。そして、時間にルーズにならないことです。
私自身が会社で開催する勉強会は、朝の勤務時間前にしか開催しません。そのため、もともと朝の時間にルーズな人が参加を申し込んでも、ほとんどの人が数回で出席しなくなります。本を読み終える最終回まで参加を継続する人は、その後の勉強会にも引き続き参加する人が多いです。