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ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー 004 [ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー]

マネージャが勉強会を主催する

開発の現場から離れてしまうと、技術の勉強そのものをしなくなる人が多いですが、実際に自分で開発していなくても、技術を学び続けることが必要です。そして、マネージャという立場上、現場のエンジニアのスキルレベルも把握できていなければなりません。そのための手段の一つとして、マネージャ自身が勉強会を主催することです。

マネージャが主催する勉強会というのは、その内容は3つに分類されます。
  • 基礎として知っていて欲しい技術 マネージャ自身は長い開発経験から知っていることですが、若手は十分な基礎知識を持っていないようなテーマです。たとえば、ハードウェアの基磯知識、OS(Operating System)の基礎知識、データ構造とアルゴリズム、デザインパターン、リファクタリング、etc。
  • 業務で使用している技術 実際の開発業務で使用している技術に関するきちんとした書籍を読みます。技術の表面だけをかじって開発するのではなく、本質を理解しながら開発するという態度を若手にも身につけてもらうため、使用している技術に関するバイブル本を学習します。たとえば、Javaであれば、『プログラミング言語Java第4版』や『Effective Java 第2版』、Rubyであれば『プログラミング言語Ruby』などを学びます。もちろん、言語だけでなく、使用しているフレームワークなどに関する本なども含まれます。
  • 興味がある技術 実際に自分で開発していなくても、興味があったり一度は勉強してみたいと思う技術はあるものであり、それらをテーマとして書籍を通してマネージャ自身も学習します。
開発で必要な技術に関して、書籍を指定して読むようにと指示する場合もあるでしょうが、できれば勉強会として一緒に学習することで、若手技術者の理解レベルを同時に把握することが時には必要です。本人任せにしていると、ちょっと難しくて本人が理解できない部分は読み飛ばしているかもしれませんし、本を読んだと言っても本質的な部分を理解していなかったりするかもしれません。

マネージャに求められる技量の1つが、開発するソフトウェアの難易度と担当者のスキルレベルの両方をきちんと把握して、仕事をアサインすることです。そのための手段の1つとして、自分で勉強会を開催して、開発組織としての底上げを行うだけでなく、自分自身も使用している技術を理解すると同時に個々の担当者のスキルを把握することが重要です。