書籍『“捨てる”勉強法』 [本]
若い人向けの勉強法の本ですが個別の内容については読んでもらうとして、ソフトウェア開発者向けの書籍に書かれていることと同じことが書かれていると思った部分を紹介します。
”高原現象”が起きたら同じことが、『アプレンティスシップ・パターン』の「得意領域への撤退」でも述べられています。
三十代からの勉強には終わりがない。だからどこかで、「もうこれ以上、勉強しても意味がないんじゃないか」と思うときがくる。学習曲線は、勉強を続けるにつれて一直線に伸びていくわけではない。何処かの時点で停滞して上達スピードが落ちる。
どんな学習にしても効果がほとんど上がらなくなる現象を、高原のように平坦なことのたとえで「高原現象」という。そんなときは新たなインプットをしないことが重要である。
(途中省略)
もうひとつ、あまりやる気がでないときには、得意科目ばかりをやるといい。それによって「自分はできる」という気持ちを増長できるからだ。和田 秀樹、『“捨てる”勉強法』
アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得
- 作者: Dave H. Hoover
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/07/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「やる気」はできる人からもらえこれは、ソフトウェア業界でいえば、『アプレンティスシップ・パターン』や『情熱プログラマー』で述べられている「最低である(Be the Worst)」と同じです。
(途中省略)
自分より出来のいい人たちのグループでビリでついていくのと、自分より出来の悪い人たちのグループに入ってトップにいるのでは、その後の成長が大きく変わってくる。
自分より出来の悪い人たちと付き合っていると、気分はいいのだが、お山の大将になってしまって努力を怠ってしまう可能性がある。もちろん、自身の勉強内容を誰かに教えることで、記憶を定着させるというメリットはある。しかしそのポジションを活用するためには、「その集団を率いながら、自分の勉強を続ける」という確固たる信念が必要である。
もし自分は意思が弱いと思うなら、ビリであっても、できる人たちのグループに入っている方が成長のチャンスに恵まれる可能性が高い。
そして出来のいい集団とそうでない集団は、何よりも目標設定のレベルが違う。自分より出来の悪い人たちのグループでは、自分の設定した目標が、そのグループの最も高い目標になるはずだ。
しかし、できる人たちのグループでは、もっと高い目標を持った人がたくさんいる。その影響を受けて、自分自身も目標のレベルアップを意識するようになるだろうし、高い目標を達成するための情報もいろいろと入ってくるようになるだろう。和田 秀樹、『“捨てる”勉強法』
ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー [ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー]
私自身は、転職を4回行い様々なソフトウェア開発の職場を経験し、自分でもソフトウェア開発の組織を持ったりしてきました。その経験に基づいて、ソフトウェアエンジニアの心得としての『プログラマー”まだまだ”現役続行』や、私自身の経験を織り交ぜて書籍を紹介している『ソフトウェア開発の名著を読む』を執筆してきました。
ソフトウェアエンジニア個人に焦点を当てるのではなく、「ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー」と題して、これからしばらくは、組織としてどのような文化を持つべきかを中心に書いていきたいと思います。あくまでも、私自身の経験ベースなので、かなり偏っているかもしれませんし、過去のブログの記事や拙著の内容とダブっている部分も多いかと思います。
良いカルチャーを持つ組織というのは、これからソフトウェア業界で働き始める若い世代には非常に重要です。ブログ記事「人生は自分が触れたものになる」では、次の文章を紹介しています。
ブログ記事「技術の伝承と良い習慣の伝承」で述べたように、単なる技術だけなく、良い習慣が組織カルチャーの重要な部分を占めます。
習慣としては他にもあるかとは思いますが、これらをテーマとして今後ブログ記事を書いていきたいと思います。
※ あと2つ追加するか、分割して「7つの習慣」とすると響きが良いのですが・・・・
ソフトウェアエンジニア個人に焦点を当てるのではなく、「ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー」と題して、これからしばらくは、組織としてどのような文化を持つべきかを中心に書いていきたいと思います。あくまでも、私自身の経験ベースなので、かなり偏っているかもしれませんし、過去のブログの記事や拙著の内容とダブっている部分も多いかと思います。
良いカルチャーを持つ組織というのは、これからソフトウェア業界で働き始める若い世代には非常に重要です。ブログ記事「人生は自分が触れたものになる」では、次の文章を紹介しています。
「人生は自分が触れたものになる」と私は考えています。新卒新人で社会人になる若い人達は、大学でコンピュータサイエンスを学んだかどうかに関係なく、ソフトウェア業界で成長する可能性は秘めています。どれだけ成長できるのかは、個人の問題ではありますが、属している組織によって大きく変わっていきます。
三流のものに囲まれて、三流のものに触れていたら、三流になる。
一流のものに囲まれて、一流のものに触れていると、やっぱり、一流に近づいていくようになります。
(途中省略)
自分の環境をどうつくるか-それで、その人が変わります。
本田 健、『20代にしておきたい17のこと』
ブログ記事「技術の伝承と良い習慣の伝承」で述べたように、単なる技術だけなく、良い習慣が組織カルチャーの重要な部分を占めます。
一時的なノウハウ(技術)の伝承よりは、ソフトウェア開発全体に対する良い習慣を若い人たちに伝承することが組織としては重要になってきます。そして、その習慣を通して、ソフトウェア開発に関する技術の伝承をできる人材が育っていく必要があります。個人ではなく組織として持つべき習慣※として次のようなものがあると思います。ブログ記事「技術の伝承と良い習慣の伝承」
- 継続した学習・教育の習慣
- 継続したコード品質重視の習慣
- 継続した自動化の習慣
- 継続した改善活動の習慣
- コミュニケーション重視の習慣
習慣としては他にもあるかとは思いますが、これらをテーマとして今後ブログ記事を書いていきたいと思います。
※ あと2つ追加するか、分割して「7つの習慣」とすると響きが良いのですが・・・・