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書籍『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える』 [本]

人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。

人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。

  • 作者: 千田 琢哉
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2011/07/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

本書のプロローグでは、本に関して次のように述べられています。
あなたの人生で、これから先に起こる未知の難題に対するすべてのヒントは、すでにどこかの誰かが本に書いてくれているということです。
本の副題は、「20代で身につけたい本の読み方80」となっており、読書に関して80項目の内容から構成されています。その中からいくつか紹介します。
01 本を読むから時間に余裕ができる

 様々な会社を見てきて驚くべき事実を公開したいと思います。
 みんなが忙しくしていて、やたらに労働時間が長い会社は倒産一直線に向かっているということです。
 ピークを過ぎたら後は坂道を転がり落ちるだけなのです。
 だから忙しい会社は要注意です。
 これは人もまったく同じです。
 最初の立ち上がりの際には誰もが不慣れなこともあって忙しいように見えますが、それが続いていくようではまるで成長していない証拠です。
 いつまでも忙しい人に長期的なお金持ちは一人もいません。
 今忙しくて儲かっているように見える人はいずれ必ず貧乏になります。
 忙しいのはそれだけ他人に振り回されているだけなのです。
 ゆったりと好きなだけ読書できるような時間のある人にいい知恵が授かり、ドッとお金も流れ込んでくるように人生はできています。
 読書に限りません。
 「忙しくて〇〇できない」というのが口癖の人には近づかないように注意しましょう。
 お金の貧乏同様に時間貧乏も感染するからです。
 〇〇があなたの本当に好きなことがあれば、すべてに最優先してやってしまうことです。
 最優先で〇〇をやれば時間はいくれでも生み出せます。
 忙しいから読書できない人は、読書がそれほど好きではないのです。
人生やお金について書かれていますが、ソフトウェア開発でも同じことが言えるかと思います。たとえば、若い頃に経験不足からくるひどいコードを書き続け、結果として高残業になり、多くの残業手当をもらっていても、継続的な学習をしなければ、30代や40代になった時には、全くスキルが向上しておらず、ただ歳を取っただけになったりします。

たとえ、投入されたプロジェクトが火の車であっても、若い頃からソフトウェア開発に関する様々な技術書や読み物を読みながらソフトウェア開発を行い、スキルを向上させている人は大きな差となって現れます。

以前、開発者不足分を補充するために、30代、40代の技術者を面談した際に、経歴としては様々なプロジェクトに従事しているにもかかわらず、技術書はほとんど読んでいないという人が多くいました。理由を聞くと、忙しくて読む時間が取れませんでしたという返事が多いのです。しかし、そのような人は、残念ながらソフトウェア開発に従事した期間に見合うスキルや見識を持っていない場合がほとんどです。

私自身は、Fuji Xerox 6060 Workstation(1986年発売)やFuji Xerox DocuStation IM200(1996年発売)の開発を行った20代、30代は高残業を行っていましたが、その中でも技術書の学習は継続していました。今日、「業務優先」という理由でほとんど読書(勉強)しない技術者が多いと感じています。そのような人達が製品としてのソフトウェア開発で「ビジネス資産」ではなく、「技術的負債」を作り続けていることになるのです。

本書は、技術者向けではなく一般的なビジネス書であり、読書に関する多くのことが述べられています。興味深い項目名を紹介しておきます。

02 いつも読んでいる人に面白い本が当たる
03 残業より読書したほうが給与が増える
04 読書をしてから実践すると成功率が桁外れに高まる
10 オススメ本は自分にしか見つけられない
11 できる人は文庫化までの時間を買っている
17 できる人の本棚には「初版」が多い
21 本を借りて読む人は、自分も一生使われて終わる
36 本から学べなければ何からも学べない
53 本にかけたお金とその人の年収は比例する
54 本の買い過ぎで貧乏になった人はいない
55 お金持ちが書斎を持つのではなく書斎を持つからお金持ちになる
76 どんな一冊にも10万円の価値があると心得る