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書籍『Being Geek』(2) [プログラマー現役続行]

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

  • 作者: Michael Lopp
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本の「退屈な時間の重要性」(p.124)には毎週行うチーム全体でのミーティングについて次のように述べられています。
 コミュニケーションに終わりはない。いつまでも続けなくてはならない。チームのメンバーをお互いにいくらよく知っていても、実際に話してみた時、会話がどういう方向に進むかを正確に予測することはできない。常時、同じパターンでミーティングを実施するメリットをまとめると、だいたい次のようになるだろう。
  • チームのメンバー一人一人のスケジュールが把握できる。特定の人に直接、話を聞きたくなった時なども、いつなら都合が良いかがだいたいわかる。
  • チーム全員が、開発中のシステムについての多くの情報を得ることができる。
  • 自分たちの仕事が今、うまくいっているかどうか、1週間ごとに確認できる。
 こうしたメリットは、ミーティングを機械のように正確に開催することによって得られる。何があっても執拗に、同じパターンでミーティングをするのだ。何年か後、チームのメンバーが転職してよそへ行ってしまっても、月曜の朝10時15分になるとつい時計を見て「ああ、対話ミーティングの時間だな」と思ってしまう、そのくらい強く習慣づけたい。だが、それはメンバーを縛りつけるためではない。メンバー間の信頼関係を築き上げるために必要なことなのだ。それは自分の経験から確信を持って言える。
私の経験からも、毎週一回、決まった時間にメンバー全員が集まって行う週報会は、メンバー間の信頼関係を築き上げるには重要だと言えます。個々のメンバーから先週の活動内容や問題を1、2分で報告してもらい、それに対して必要なら質問したりするという簡単な週報会であっても、上で述べられているようなメリットが得られます。

組織によっては、「機械的マネージャ」が多く、その結果、全員で集まるのは時間の無駄と考える傾向が非常に強い場合もあります。そのような組織では、コミュニケーションが悪い組織になっているように私には思える場合もあります。「機械的マネージャ」と「有機的マネージャ」に関しては、「スタッフミーティング」(p.71)に述べられているのですが、極端な分類として次のようにミーティングに関する対応が述べられています。
有機的なマネージャと機械的なマネージャとでスタッフミーティングがどう違うかを具体的に見てみよう。まず、ミーティングに関して着目するポイントは、両者で次のように違っている。
  • 何か他に問題はあるか:機械的マネージャ
  • 未対策の問題はあるか:機械的マネージャ
  • 皆が活発に意見を言えるような雰囲気になっているか:有機的マネージャ
  • マネージャの発言を待たすに、皆が進んで意見を言っているか:有機的マネージャ
  • 議論が時間内に終わったか:機械的マネージャ
  • ミーティングのために確保した時間は長すぎなかったか:機械的マネージャ
  • 今日話し合ったことを他人にうまく説明できるか:有機的マネージャ
  • 十分な議論ができたか:有機的マネージャ
  • 楽しいミーティングになっているか:有機的マネージャ
 正確には、完全に有機的なマネージャや、完全に機械的なマネージャというのはあまりいない。
私はどちらかというと有機的だと思います。だから、全員が集まって話をするよりは、週報を書けば良いというだけの組織では、非常に居心地が悪かったりします。