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組織のDNA(3) [プログラマー現役続行]

ソフトウェア開発組織においては、開発する技術の難易度や担当させる技術者のスキルレベルをリーダやマネージャが把握できないまま、開発計画を立てるようになると、きちんとスケジュールを見積もるという行為そのものを行わなくなってしまう可能性があります。

その結果、製品出荷予定日から逆に引いたスケジュールを立てることしかできなくなったりします。そして、詳細なスケジュールに関しては、全体スケジュールに合ったものしか受け付けないということが起きてしまいます。スケジュールが守られている時は良いのですが、遅れたときの対応が組織によっては大きく異なってきます。

通常、遅れた場合には、その原因に基づいて、対策を考えるのはリーダーやマネージャの役目です。無理なスケジュールを立てさせられた現場が行うことではありません。リーダーやマネージャの立場であれば、チーム全体での仕事の調整も含めて対策を検討することが可能です。

ところが、そもとも技術の難易度やエンジニアのスキルを把握できていないリーダーやマネージャの場合には、「挽回策を考えて報告しろ」と現場の担当者に言うことしかできなかったりします。問題なのはそのようなリーダーやマネージャだけではなく、そのようなリーダーやマネージャが多数を占めてしまうようになった開発組織です。この悪い意味でのDNAを持ってしまって大きくなった組織では、DNAを書き換えるのは非常に難しいかもしれません。

(「組織のDNA」「組織のDNA(2)