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どうしてミケランジェロになれないんだ? [プログラマー現役続行]

アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン

アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン

  • 作者: トム・デマルコ
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2009/10/22
  • メディア: 単行本
マネージャは、チームの能力が向上することを
ひそかに期待しながらツールを調達する。
ツールのコストは、ツールのコスト以上に高くつく。
― ドロシー・グラハム
「たがねは買ってやった。なのに、どうしてミケランジェロになれないんだ?」すぐに生産性を高めようと必死の組織では、そんな問いかけが聞こえてくるが、そうした組織にかぎって、能力よりも給料の安さで人材を雇う。ミケランジェロ組織にはかならずと言っていいほど、買ったきり積まれたままのツールの山がある。
 ツールが便利なことは言うまでもない。適切な使い手に渡れば、すばらしく生産性を高め、ツールがなければできなかったことを成し遂げられる。しかし、ツールの作り手も言っているはずだが、使いこなすためのスキルがあることが必須条件である。たがねは、ミケランジェロが手にとらなければ、へりの鋭い金属片にすぎない。
『アドレナリンジャンキー』
基礎教育」でも書きましたが、スキルを向上させることを中心としてソフトウェア開発を行ってきた場合には、コードの品質を測定したり、バグを発見するような静的解析ツールの導入は、必ずしも必要ではありませんでした。そのようなツールは役には立つのですが、本質的に重要なのは、個々の技術者のスキルを上げることです。

個々の技術者のスキルが低いのをツールで補おうとしても、結果として、技術者のスキルは向上するのではなく、ツールが生成する警告数が減るだけの結果となり、技術者のスキルは全く上がっていなかったりします。つまり、継続した学習と学んだことの実践を繰り返していない技術者のスキルを、ツールが上げてくれたりはしません。


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