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技術的負債(3) [技術的負債]

企業にとって、技術的負債があっても、商品を出し利益を出して、会社を維持する必要があります。しかし、技術的負債が大きい場合には、若手にとっては、良いコードを読んで学習する機会を与えるのではなく、汚いコードと格闘させるだけとになります。さらに、製品となっているコードは、手作業による膨大なテスト工数を考慮して、リファクタリングして良くする活動もできなかったりします。

見方を変えると、技術的負債は、将来性のある若手をきちんとしたソフトウェアエンジニアとして成長させる場を奪ってしまうことになります。良いコードを書くという機会もなく、リファクタリングを経験する場もなく、過去に誰かが作った負債と格闘させるだけとなります。そのような状況では、ソフトウェア開発にもともと興味がない人は、負債を膨らませていくだけでしょう。一方、意欲のある若手は、成長できないため会社を辞めていくことになります。その結果、技術的負債に無頓着な人々が開発組織の大半を占めるようになり、会社は負債をますます増大させることになります。