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ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー(16) [ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー]

ソフトウェア開発組織に適切なマネージャを割り当てる

「ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー(まとめ)」を掲載してから2年が経過しました。

ソフトウェアエンジニアにとって、その組織で働き続けるモチベーションをもたらす要因は、時代の先端を行くソフトウェア開発だったり、誰と一緒にソフトウェア開発をするかだったりとさまざまな理由があるかと思います。

私自身は、幸運なことに20代、30代、40代と時代の先端を行くソフトウェア開発に従事し、楽しかったことも多かったです。しかし、一方で、モチベーションを下げる要因も色々とありました。その要因の中で最も大きいのは、「ソフトウェア開発の経験がない人が上司」、もしくは、「経験が数年しかない人が上司」というものです。ひどい状況になると、若手のソフトウェアエンジニア達の前で「ソフトウェア開発は給与が安い若い人がやればよい」という発言をするマネージャがいたりします(いました)。

ソフトウェア開発を一生の仕事をとして取り組みたいと思っている若手のソフトウェアエンジニアが属する組織に、間違ったマネージャを割り当てるのは、長期的にその組織が致命的な悪循環に陥る可能性があります。どういうことかと言うと、成長してきた若手のエンジニアが、さらに成長して中堅として若手を指導する立場になる前に、その組織(会社)を離れていってしまうのです。そのような転職が続くと、マネージャとして適切な人材が組織(会社)に残らなくなって、結果としてソフトウェア開発経験がない人がソフトウェア開発組織のマネージャとなり、悪循環を加速してしまうのです。

私自身は、「ミッションステートメント」で述べているように「技術者の育成も重要であり、次世代を担う技術者の育成も続ける」ということで、2000年からJava研修、2016年からのGo研修を続けています。これらの研修は、ソフトウェアエンジニアの基礎体力として一つの言語をきちんと学んでもらうと同時に、バイブル本を通した技術の学び方を学んでもらうことです。おそらく、一人でバイブル本を読破して練習問題まで解いていくというのは、かなり難しいです。それを研修として取り組んでもらい、研修の日には他の受講生の質問も含めて議論したり、プログラミングの解答を見たり、そして懇親会で話をすることで続けられるのです(さらに、プライベートの時間に予習するために、家族の理解も必要です)。

私の研修の修了生には、富士ゼロックス情報システム社の頃からも含めて転職している人もいますし、転職せずに働き続けている人も多いです。もし、研修の修了生の転職率が高いとしたら、それは、研修が「原因」ではなく、さまざまな転職理由があるはずです。ただ、成長し続けるソフトウェアエンジニアが属する組織に、不適切な上司(マネージャ)を割り当てることが、「高い転職率という結果」をもたらすことは間違いないと思います。

ソフトウェア開発組織では、不適切なマネージャを割り当てないように注意しなければなりません。

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