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アプレンティスであることはどういうことか [アプレンティスシップ・パターン]

アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)

アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)

  • 作者: Dave H. Hoover
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2010/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本からの抜粋です。

アプレンティスであることはどういうことか

 アプレンティスであることは何を意味するのかを議論した際に、私達がインタビューした1 人であるMarten Gustafson は、「今まで行ったことや今行っていることをより良く、さらに賢く、もっと速く行う方法が常にあるという態度を基本的に持つことだと思います。徒弟制度は、より良い方法へと発展し、より良い方法を探し、より良く・さらに賢く・もっと速く行う方法を学ぶことを強制する人々、会社、 状況を探す、状態・プロセスです」と上手く表現しました。あなたに解決方法を与えてくれる人々に依存せずに、問題に対処する建設的な方法へと導いてくれる内面的な動機に多くの価値があると私達は考えます。Dweck は次のように書いています。「それは、安易な成功で得られる内面的な量ではありません。高い知性について人々に話すことで、人々に与えられるものではありません。見かけ上の賢さではなく、挑戦することを楽しみ、間違うことを熟練職人への道のりとして活用することに価値を置くことを教えることで、自分自身のために身に付けるものです」(Self theories、p.4)。
 理想的な状況は、同僚のアプレンティス、ジャーニーマン、それに1 人の熟練職人から構成される小さなチームの中にあなたがいることです。しかし、私達が考える徒弟制度は、このような組み合わせを必要としません。あなたの徒弟制度は、あなたの管理のもとにあり、徒弟制度の結果は、究極はあなたの責任です。徒弟制度の進む方向と進歩は、あなたが決めるのですが、あなたに良き指導者がいることと指導者達の質も、あなたの職人気質に対して長く影響を与えます。
 見習い期間は、ソフトウェア職人としての旅の始まりです。その時期に、職人気質を伸ばすことに関して、主に自分の内面と意志にあなたは注力することになります。同僚や経験のある開発者から面倒をみてもらうことで恩恵を得ますが、自分自身を成長させることを学び、学ぶ方法を学ばなければなりません。自分自身へ焦点を当てることと成長の必要性は、アプレンティスであることの基本です。
 アプレンティスは、最後には、継続した学習が主で責任が少ない立場から、より広く外部への責任を持つ立場へと卒業します。そして、この卒業は、後で回想する時にだけ分かるものであると私達は信じがちです。ある時点で、アプレンティスのところに熟練職人かジャーニーマンが来て、コミュニティにおけるあなたの仕事や役割は、ジャーニーマンの仕事や役割ですと伝えられます。このような場合、アプレンティスはそれ以前より多くの責任を負うようになっています。「煮えカエル」のように、徐々に明確な区切りがなく、1 つの段階から上の段階へと移っていきます。この移行は人によっては、他人よりも長く要するかもしれません。人によっては、この移行は、専門的なキャリア以上に時間を要するかもしれません。

『アプレンティスシップ・パターン』(p.9)

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