訳者まえがき 『Java SE 8 実践プログラミング』 [訳者まえがき・あとがき]
Javaプログラマーなら習得しておきたい Java SE 8 実践プログラミング
- 作者: Cay S. Horstmann
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2014/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
訳者まえがき
私自身がJava言語を学び始めたのは、1996年の夏でした。その頃は、バージョン1.02であり、ネストしたクラスやネストしたインタフェースは言語仕様として存在していませんでした。バージョン1.1でネストしたクラスやネストしたインタフェースが登場し、Javaプログラムの書き方が変わりました。その後の言語仕様の大幅な拡張は、2004年にリリースされたバージョン5.0であり、ジェネリックス、enum、アノテーションといった変更※が加えられました。
それから10年が過ぎて、再び言語仕様の大幅な拡張が行われ、Java 8として登場したのです。Java 6および7でも言語仕様の変更は行われましたが、小さなものでした。Java 8でのラムダ式の導入により、従来のコードが簡潔に書けるだけでなく、多くのライブラリが影響を受けて拡張されています。そして、いわゆる関数型プログラミング的な思考を求められるようになりました。
ラムダ式に加えて、今までのJavaと大きく変わったのはインタフェースです。デフォルト実装を持つメソッドをインタフェースへ追加することができるようになりましたし、実装を持つstaticメソッドをインタフェースへ追加することもできます。ラムダ式のサポートとインタフェースの仕様変更は、従来とは異なったJavaプログラミングの世界への扉を開いたことになります。
この本では、簡潔にJava 8の機能が説明されています。第1章から第8章までは、Java 8に関して説明されており、第9章ではJava 7が説明されています。また、各章の章末に練習問題が用意されています。練習問題に取り組むことで、Java 8の基本的な機能を習得することができると思います。
1996年の夏からの18年間で、私自身は、Javaを通して多くのことを学んできました。もちろん、この本でも新たなことを学ぶことができました。多くのJavaプログラマーが新たな言語仕様を学び、実践し、マルチコア時代へ向けた新たな道具を獲得することに、この翻訳本を役立てていただければ幸いです。
※ バージョン5.0で行われた言語仕様の変更は、拙著『Java 2 Standard Edition 5.0 Tiger --- 拡張された言語仕様について』にまとめられています。
2014-09-27 18:02
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