SSブログ

違和感 (2) [プログラマー現役続行]

日本の組織というのは、建前で言えば、上司が部下の育成責任を持つことになっています。そして、上から下へと順に育成責任が落ちていきます。つまり、新卒新人の育成はOJTトレーナーである数年先輩の責任、その先輩の育成はさらに上位の職位の人の責任と順に育成の責任が連鎖していきます。

ソフトウェア開発に関して、この育成責任の連鎖が建前通り機能して、きちんとしてソフトウェア技術者集団となっている組織は数少ないのではないでしょうか。それは、ソフトウェア開発そのものが非常に複雑な物を、家内手工業的に頭の中で考えて手を動かして開発しているからです。数週間や数ヶ月行っても熟練工にはなれません。

ソフトウェア職人気質―人を育て、システム開発を成功へと導くための重要キーワード』や『アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得』では、ソフトウェア開発では、徒弟制度的な育成が必要であることが述べられています。Richard Gabrielは、「ソフトウェアを書くことは芸術であり、本当にうまくなるには10年を要する。」とも述べています。

さらに、ソフトウェア技術は止まることなく発展していますし、身近に使えるコンピュータさえマルチコアのCPUが当たり前となってきています。そのため、高度なマルチスレッド設計を含めて、数年だけ先輩である人に現場の若手の育成を任せるのは限界があるのではないかと思います。

(「違和感」)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0