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ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー 006 [ソフトウェア開発組織が持つべきカルチャー]

スキル向上に真剣に長期的に取り組む

Richard Gabrielの言葉を借りれば、ソフトウェアエンジニアとして一人前になるには10年以上要することになります。言い換えると、新卒新人で入社した若者を10年間きちんとスキル向上させなければ、10年後に会社を支える中堅エンジニアにはなりません。その点を認識して、ソフトウェア開発組織は、エンジニアのスキル向上に真剣に長期的に取り組む必要があります。

スキルの無い人々を、まともな教育をすることもなく、日々の開発できちんと技術指導もすることなく、開発に従事させれば、多くの障害が発生するのは明らかです。しかし、ソフトウェア開発を労働集約型と思っている組織では、個々のエンジニアのスキル以外の観点(プロセスやツール)で対策を打つことを検討します。知識集約型という認識であれば、スキルを重要視しますが、労働集約型だと思っている(あるいは、労働集約型にしたいと思っている)のでスキルの問題に抜本的に対策を検討したり、打ったりすることはしない訳です。

その大きな理由は、スキルの問題は、かなり長期的に地道な活動だからです。徒弟制度的に育成を行っている組織では当たり前に行われていることが、労働集約的な開発しか行っていない組織では、その地道な活動でさえ放棄してしまいます。つまり、「スキルの問題と言ってしまったら解決できない」と考える開発組織に限って、真剣に長期的な活動をほとんど行っていなかったりします。

40代最後の年」で書いていますが、日本オラクルの初代社長である佐野力氏の次の言葉(正確には覚えていませんが)が今でも記憶に残っています。
5年後、10年後に日本オラクルを背負うのは、中途入社の皆さんではなく、新卒新人です。したがって、新卒新人は育てていきますが、みなさんは、即戦力として頑張ってください。
佐野力

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