SSブログ

教育、場、権限(2) [プログラマー現役続行]

教育、場、権限」では、私自身のソフトウェア開発の経験をもとに会社の中で若手のエンジニアの成長を後押しするには、次の3つの条件が揃っている必要があると述べました。
  • 教育 - 基本的に知っておいてもらいたい事柄を技術教育や勉強会という形式を通して教えてく。
  • - 教育で教えたことを、設計レビューやコードレビューなどの日々のソフトウェア開発活動全般を通して指導していく。それにより、教育では伝えきれない部分を伝えていく。
  • 権限 - 日々のソフトウェア開発での指導ができる組織上の権限。
そして、最後の「権限」に関しては、次のように述べています。
日々指導するには、ソフトウェアの開発組織ライン上の権限が必要となってきます。たとえば、チームを構成するメンバーでもなくそのチームリーダでもなければ、チームリーダが指導しないことをそのチームのメンバーに指導することは簡単なことではありません。
最近分かってきたことですが、これは、あるテーマでソフトウェア開発している開発組織のリーダとして組織ライン上の権限が本当は必要だということです。

たとえば、小さなテーマであれば少数のメンバーから構成されるチームのリーダーであり、大きなテーマであれば複数のグループから構成される開発組織の組織長かもしれません。どのちらの場合であっても、単なる肩書きではなく、開発している技術、成果物のレビュー、現場の開発者との日々のコミュニケーションを含む報告を受けたり指導したりと開発全般に対する活動と権限が必要なのではないかと思います。

組織ライン上の長であっても、現場のエンジニアとはほとんど会話することなく、直属の部下からの報告だけしか聞かないようであれば、実際の開発現場での問題点やソフトウェアの品質を自分で把握することは難しくなります。

組織外からアドバイスをしても、その組織自身が真剣に問題点を改善しようとしていない限り、アドバイスの内容を理解できなかったり、実行されなかったりということが起きます。たとえば、80年代のような手法で開発を行っている組織に対して、継続的インテグレーションをアドバイスしても受け入れられることはまれだと思います。

日本では徒弟制度的にソフトウェアエンジニアを育成して、組織を作っていくことが行われることはまれであり、開発メンバー全員が良い習慣を持つ組織を作っていくことは容易ではないのかもしれません。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0