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書籍『Being Geek』 [献本]

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

  • 作者: Michael Lopp
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

出版社から献本していただきました。対象とする読者は、ソフトウェア開発の経験を数年経てこれからリーダになる人からでしょうか。全体として、転職も含めたキャリアの話とマネージャとしてのマネジメント関連の話です。

キャリアに関して、「成長」ということで次のように述べられています。
成長はかなり正確な指標になり得るのだ。私の経験からもそう言える。成長していれば、その背景にはおそらく何らかの戦略が存在していると考えられるからだ。たとえば、人が成長しようとすれば、そのために新たなことを学ぶ必要がある。しかも、ただ漫然と学ぶのではなく戦略的な学びが必要なのだ。そうして成長することができれば、より大きな結果が出せるようになり、会社に利益をもたらすこともできるだろう。昇進もし、より大きな責任を担うようにもなるだろう。この場合も、「成長しないのは、死んでいると同じ」と言い切ってしまってもさほど間違ってはいないと思う。少なくとも、そう言ってしまった方が分かりやすいだろう。
そして、「成長しないのは、死んでいると同じ」という言葉はマネージャにも当てはまるとも述べています。そして、キャリアに関しては、当たり前ですが、次のように述べています。
おそらく健全なのは、「私の仕事に対して責任を負うのはマネージャだが、私のキャリアに対して責任を負うのは私自身である」と考えることだろう。
転職に際しての電話インタビューから始まる採用面接の話も書かれているのですが、日本ではあまり当てはまらない内容かと思います。そもそも電話で30分ほどインタビューして、最初に適性を見るということは、日本ではほとんど行われません。そして、その後に、一緒に仕事をすることになるかもしれない人達からインタビューを受けるということはないです。ただ、一度でもそのような採用プロセスを経験したことがあれば、そういうことだったのかと考えながら読める内容です。

エンジニアがマネージャになった時に注意を払うべきことも多く述べられているのですが、その中で「スケーリング」として次のように述べられています。
 マネージャにとって大切なことはいくつもあるが、その1つは「スケーリング」である。マネージャになったら、元々自分の持っているスキルをスケーリングしなくてはならない。エンジニアだった時にバグ修正に超人的な能力を発揮していたのだとしたら、マネージャとしては、チームが全体としてその超人的な能力を発揮できるようにしなくてはならないのだ。
 自分の学んできたことを、部下にわかるように翻訳して教えていく必要がある。そして、学ばせるには、信頼して任せるということが必要だ。以前なら、自分でしていたこと任せてしまうのである。
 信頼することで、良いフィードバックループが生まれ、徐々に生産性は上がり、満足のいく仕事ができるようになっていく。部下を信頼することでスケーリングができ、自分と同じクオリティの仕事を、自分一人の時よりはるかに多くこなせるようになる。多くの仕事をこなすほど、多くの経験ができ、多くを学ぶことになる。そうしてたくさんのことを学び、理解すれば、それだけ、教える材料も増え、ざらにスケーリングを進められるだろう。
このスケーリングを実施している、あるいは、意識している元エンジニアであるマネージャは少ないのではないでしょうか。

本書は、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアを考える上で参考になる事柄が多く述べられています。ただし、技術的なことはあまり書かれていません。どちらかと言うとマネジメント関連が多いかと思います。
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