考えないエンジニア [プログラマー現役続行]
拙著からの抜粋です。
考えないエンジニア初心者でなくても、「エラーメッセージの一部を見て思い込みで判断する」ことがあります。判断した結果の対処を行ってもエラーメッセージが消えなくて、よくよくエラーメッセージの内容を確認したら、原因は違うところにあったりするのです。
今日では、コンピュータ技術の急速な発展のおかげで、コーディングをしてからあっという間にコンパイルができ、すぐに実行可能です。プログラミング初心者の特徴として、コンパイルエラーのエラーメッセージや、実行時エラーが発生した場合のスタックトレースの表示をきちんと読まないということがあります。
その結果、書いたコードにエラーがあると、「なぜエラーになったのか」を考えることなく、ちょっとだけソースコードを修正して、すぐにまたコンパイルと実行を行ったりする人が少なくありません。さらに、動作させてうまくいかないと、その理由をじっくりと考えることなく、またちょっとソースコードを修正して、同じサイクルを繰り返したりします。
つまり、ソースコードやエラーメッセージをじっくりと読んで考えることなく、試行錯誤を繰り返すのです。
このようなことを繰り返していると、自分が書いたプログラムであっても、コードを実行せずにコードの動きを頭の中でシミュレーションしながら、正しいかどうかを冷静に判断することができなくなります。そして、どのように動作するかを実行することだけで確かめようとするのです。
このように、コンピュータ技術の急速な発展は、皮肉にも、論理的に思考あるいは推論をしないでソフトウェアを開発するエンジニアを増大させる一因となっているような気がします。
『プログラマー”まだまだ”現役続行』(57頁)
(「エラーメッセージを読まない人達」)
2010-11-05 05:19
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