プロセス中心ではなく、スキル中心 [プログラマー現役続行]
Apprenticeship Patterns: Guidance for the Aspiring Software Craftsman
- 作者: David H. Hoover
- 出版社/メーカー: Oreilly & Associates Inc
- 発売日: 2009/10/21
- メディア: ペーパーバック
本書の「ソフトウェア職人気質とは」(What Is Software Craftsmanship?、p.3)からの引用です。
私達は、プロセス中心ではなく、スキル中心です。私達にとって、「正しい」プロセスを使用するよりは、高いスキルを持つことが重要です。Gawande は、次のように質問しています。「医学は、技能、それとも工業ですか。医学が技能であれば、職人の技を修得するために産科医を教育することに焦点を当てます。新たな技法を見つけるために研究をします。物事を誰が行っても常に上手くいくとは限らないことを受け入れます」(Better, p.192)この考えは、プロセスやツールが誰でも同じように成功させるのではないことを示唆しています。私達全員が改善できるとしても、私達のスキルレベルには常に差があるのです。スキルがあって、その上で確実にソフトウェアを開発するための助けとしてプロセスが存在するのだと思います。スキルがないことを補うのがプロセスではないのですが、どちらかが管理しやすいかというと、プロセスなのです。スキルを測るのは困難であり、ましてやスキルを管理するのは非常に困難かもしれません。そのため、管理しやすいプロセス中心になってしまい、スキルがないことをプロセスで補おうとしている開発組織が多いのではないでしょうか。
Apprenticeship Patterns
同じことが、開発環境とスキルでも言えます。
どの言語でプログラムしようとも、プログラマとしてのあなたの仕事は、使えるツールを使ってベストを尽くすことです。優秀なプログラマであれば、低レベルの言語、あるいは扱いにくいシステムであっても克服しますが、優れたプログラミング環境は、できの悪いプログラマを救済してはくれません。お金をかけて開発環境を改善しても、スキルが低い人が多いのであれば、宝の持ち腐れになるということです。スキルの低さをツールで補おうとする組織も多いのではないでしょうか?
Brian Kernighan, Rob Pike, 『プログラミング作法』
2010-02-18 04:36
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アグリーです。
by T.J.Baldwin (2010-02-22 00:12)