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「ソフトウェアは工業製品ではない」 まつもとゆきひろ氏 [プログラマー現役続行]

@ITにまつもとゆきひろ氏の講演の内容が掲載されています。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200904/10/matz.html
コード(ソフトウェア)を書くというのは、組み立てのことではなく、製造業でいう「設計」に相当するという。

私自身は、常々、コードを書いて動作させるということが「設計」だと思っています。しかし、そのように認識している開発組織は少ないのではないかと思います。

自分でコードを書いたことがないマネジャーや、コードを書くというのが「設計」であるという認識になるまでコードを真剣に書く経験を積むこともなくマネジャーになった人が、ソフトウェア開発組織をリーディングすると、まつもと氏が述べている次のような認識しか持たないと思います。
 「会社というのは都合のいいように、プログラマには歯車であってほしいと考えます。コードが美しいかどうか、アートかどうかなど関心を持っていません」
そして、続けて次のように述べられています。
 「内面の美は外から見えず、コードに内在しています。そこにもっと関心をもってもらいたいと思います。ソースコードはアートで、作品なのです。工業製品として扱われるのは心外です。プログラマのみなさんは、そういう気概をもって仕事をしているでしょうか。アーティストは歯車ではない。右から左へ流れ作業をするのではく、創造的、自発的に仕事をするのです」。

この「心外」というのには、同感です。しかし、そのことを認識してくれる開発組織トップや会社トップが非常に少ないのも、日本のソフトウェア業界の現実なのかもしれません。

まつもと氏が述べられているような「気概」を持つソフトウェアエンジニアの開発組織を作り上げていこうとしても、コードを書くことが「製造」という誤った認識を持つ開発組織トップによる「中国で製造できるような設計をして、製造を中国オフショアに出せ」という理不尽な要求に対して、反論していくことは忍耐力を必要とします。

その結果として、日本のソフトウェア開発の現場は疲労していき、ソフトウェア開発の“楽しさ”を見失っていくのかもしれません。
プログラムを作ることの“楽しさ”や、アーティストとしてのこだわり、そうしたものが生産性や品質に及ぼす影響を強調してやまない、まつもと氏。最近は、開発環境も情報も豊富にある恵まれた時代なのに、プログラマと呼ばれる人たちが「妙に暗い」(まつもと氏)ことを憂えてもいるという。

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